今の主治医でいいのか?
検診で、がんとわかって、検査した病院で
手術のできる病院を紹介してもらいました。
転院先の病院では、フォローアップが早く、
手術日も、初診の時点で予約を入れられました。
紹介された病院は、
乳がん手術の実績数が年間500を超える実力のある病院です。
外来では、通訳をともなって、海外から来ている方も目にします。
日本で乳がん治療をするなら、
間違いなく最先端をいっていると思われる病院です。
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初めて体験することは、知識もなく、言われるがままになりがち。
そんな、確かな実績をもつ病院の先生が診療をしてくれるのだから、
癌に対してズブな素人の私は、先生のレールに乗るしかありません。
先生の私の左乳房の治療の方針は、
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全摘
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2次再建
でした。
全摘の理由は、
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温存もできるけど、広く切除するので変形が大きい。
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乳輪、乳頭を温存しても壊死することがある。
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温存すると、放射線治療をするので再建できなくなる。
2次再建の理由
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乳がん手術や治療で時間がなく、再建の知識を習得する時間までない。
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再建方法はたくさんあるから、手術後落ち着いてから、時間をかけて再建する方がいいのではないか。
主治医と自分の希望がずれていないか考えてみる
乳がんになってみて初めて知ったことは、
温存すると放射線治療をしなくてはならない。
一番最初の診察では、1cmほどのしこりの早期の乳がん。
その時は、
「もちろん温存できるし、乳房の変形もない。」
という診断でした。
その後のMRI検査で、思ったより広範囲に病変があり、
全摘の提案になりました。
小さいガンだと思っていたので、
全摘するなんて考えてもいませんでした。
[blogcard url=”http://souki-nyugan.net/2016/12/22/book/″]主治医の人柄:外科医は慎重派!
私の主治医は、40代の男性医師です。
働き盛りといった感じで、決断力が早く、
次々と検査や手術の日程をきめてくれます。
診療のない日に、急な検査日変更連絡を、主治医が直接、
私の携帯に電話してくるのにも驚きました。
仕事熱心な先生である事は、間違いありません。
主治医は、メリットより、デメリットを優先的に話すタイプ
2回の診察で主治医に対して感じたことは、
「デメリットを主体に話すタイプだな」という印象です。
例えば、
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温存できるけど、形が変形するので、全摘もあり。
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乳輪、乳頭を温存すると壊死が起こったり、再建の時に乳首が変な方向に向くことのある。
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同時再建は、十分な知識を経てからしたほうがいい。
全摘したら同時再建もできると思っていた私には、
耳障りのいい内容ではありませんでした。
しかし、その話をきっかけに再建について勉強をはじめました。
主治医のいった内容通りのことが、写真と共に本に書かれていました。
その時読んだ本が、下記の本です。
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温存したけど、乳房が変形して左右のバランスがとれていない写真や
温存した乳頭の位置がずれていたり、上を向いてしまっている写真など
実例として掲載されています。
デメリットを話す医師は、時に患者を絶望の淵に立たせます。
「思い描いていた、自分の希望をうちのめすのか!」
などと思うこともあります。
ですが、それと同時に、正しい知識を得ることもできます。
主治医は、全摘を勧めるけど、
温存がダメだとは言っていませんでした。
温存した場合の手術の説明書もくれました。
「デメリットを強調する割には、オッケーなんじゃん?」
念には念を入れるタイプなんだと感じました。
どんどん欲が出てくる
クリニックで告知された時は、手術の病院もきまってなく、
「とにかく早く癌を取り除きたい。」
「手術のできる病院で早く診療してもらいたい。」
それが一番の希望でした。
実際に病院も決まり、主治医も決まり、手術の日も決まると、
スムーズにいきすぎているせいか、心と時間に余裕ができて、
これでいいのか!という欲すら持てるようになりました。
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セカンドオピニオンに行った方がいい?
セカンドオピニオンにいく理由は、
主治医の方針と自分の希望が違う場合。
より自分にあった治療を探すために、
第三者の意見を聞いてみたいという気持ちから、
診療方針に納得できなければ、セカンドオピニオンに行く
私の希望は、全摘プラス同時再建です。
今の主治医は、2次再建推進派です。
病院には、形成外科の先生もいるので、連携さえしてもらえれば
同時再建も可能な病院なんですが。
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同時再建の場合決めること
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人工物でするか
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自家組織でするか
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エキスパンダーだけとりあえず入れておくか
エキスパンダーは、手術で縮む乳房の皮膚を伸ばしてあげる
風船のようなものです。
半年後、シリコン、自家組織のどちらかで再建が可能です。
希望は人工物での再建。
自家組織による方法は、他の場所に傷がつくので体への負担が大きいです。
人工物での同時再建を行っている病院が、セカンドオピニオン候補
抗がん剤の種類の選択など、生命に関わるような状況にない非浸潤がんんの治療の選択は、贅沢です。
セカンドオピニオンが再建についてなんて、恵まれています。
セカンドオピニオンを訪ねるなら、今の病院と同じくらい乳がんの実績があるか、それ以上の実績のあるところになると思います。
同時再建で有名なのは、聖路加国際病院
TVの乳がん特集では、必ずと言っていいほど出てくる病院です。
聖路加でのセカンドオピニオンを調べると、
聖路加国際病院のセカンドオピニオン相談は、現在他院で受けて診断や治療方針に関してご意見を申し上げることを目的としています。そして必ず元の医療機関にお戻りいただきます。そのため、当院での治療や検査、入院をご希望される場合でも、相談後に元の医療機関にお戻りいただき、改めて当院での治療を希望する旨の紹介状を医師に書いていただくことになります。
と書いてありました。
セカンドオピニオンは、自由診療です。
30分で2万1000円。
治療に対する疑問を払拭するためには、なかなかの値段です。
よく耳にするのは、セカンドオピニオンに行ったところで、
元の診断と同じ結果になるという事。
抗がん剤をするかしないかなど、
命に関わる選択ならセカンドオピニオンも重要です。
自家組織を使った再建方法しか保険適応にならなかった時代には、
同時再建も大きな意味を持っていました。
乳がんの手術と同時にしたほうが、一度の入院期間ですみます。
しかし、インプラントも保険適応になった今は、いつでも再建できます。
しかも、インプラントなら日帰りも可能です。
整理していくうちに、今の病院の診療方針でいいんじゃないの。
と思えてきました。
セカンドオピニオンは患者の権利だけど、迷って治療が進まなくなるのは、本末転倒
考えを整理していくうちに、告知後に感じた
「できるだけ早く手術をしたい。」
という原点に帰りました。
乳がんについて、調べていくうちに知識がついてきます。
主治医の治療方針の温存よりは、全摘がいいに、異論はありません。
とりあえず、がんをきっちり取り去ってくれることを
望むことにしました。