先日、10年来の親友でもあり、同じ乳癌経験者でもあるA子宅に子供を連れて遊びに行ってきました。
A子は、今から8年前の35歳の時、人間ドックで非浸潤の乳癌が見つかり全摘、自家組織による乳房同時再建をした経験の持ち主です。
彼女の乳癌が見つかった時、私にすぐ被患した報告の電話がありました。
当時は、周りに乳癌や重い病気になった人はおらず、自分のことのように不安になったことを今でも鮮明に思い出せます。
そして、それから7年後。
今度は、私が親友のA子に「なんか私も乳癌になったみたい。」と告知をうけてから、すぐさま電話しました。
A子がただ単に親友だったからというわけではなく、乳癌経験者として気持ちを理解してもらえるだろうという安心感から、
すぐに報告できたんだと思います。
実は乳癌経験者という人が、まわりに割といた。
そんな、ヘビーな病気を経験した私たちですが、今は癌を経験したことを忘れるくらい。
時に、仕事の愚痴を言ったり、何が欲しいだのなど病気の前と全く変わらない日常を過ごしています。
A子「最近子供同士が仲良い縁で、仲良くなった保育園のママ友がウチに遊びに来たんだけどさあ。なんとその人も偶然乳癌経験者だったの!」
ママ友は、30代後半だそうで、
ママ友「実はさ。数年前、重い病気にかかったんだけど‥。話がヘビーだからドン引きにないでね。」
という前置きがあってから、カミングアウトがあったそうです。
それを聞いたA子は、すかさず「私も!同じ」と返答。
ママ友さんは今も薬をのんで治療中とのこと。
癌なんて年取ってからなるもんだと思っていましたが、蓋を開けてみると、30代での経験者も多くびっくりしました。
乳癌を告白するのは、勇気がいる
私の場合、幸いにしてタモキシフェンの副作用も軽く、心身ともに良好な状態です。
ですが、乳房再建手術があるので、度々仕事を休まなければなりません。
休む理由は、必要最低限に人のみに報告していますが、それでも人づてに私の病名が広がっていきます。
先日もお得意さんから「お体大丈夫ですか?また入院されておやすみしてたと聞いたので」と言われました。
私「ご心配おかけしてすいません。実は胸の形が変わったので綺麗にする手術をしまして。誰に見せるわけでもないんですが。
美容整形みたいなもんなので。」と説明したら、先方もほっとしていました。
本当はもっとオープンに病気について話せたらいいんですが、病名が病名だけに、重く受け取られがちで、
告白できず一人で抱えてしまうことの方がおおいのが現状です。
治療がひと段落した段階で、わざわざカミングアウトする必要もないし、カミングアウトしたところで経験者じゃないとわからないことも多く、逆にフラストレーションがたまるので自ら話すことはしていません。
気持ちを吐き出せる人が一人いるだけで、心が軽くなる。
私のように、周囲の人に乳癌について話せる人が多くいない場合、心を閉ざす傾向が出てきます。
それはそれで人生としてつまらないし苦しいです。
たった一人でいいので、「今度再建入院するんだー。」とか「今は脂肪注入で再建できるんだって。」など
乳癌について気楽に話せる人がいると心がだいぶ楽になります。
私の場合、たまたま親友が乳癌経験者だったので、患者の会に行かなくても情報を共有できました。
世代が同じで、価値観が似ている癌友は一人いると、不安も拭えこころの支えになります。
A子とはよく海外旅行にも行っていました。
「なんでこんなに近くで、乳癌になるかねえ。なんか同じ悪いもの食べたっけ?飛行機ガンガン乗ったから?どこの国がいけなかった?」
など冗談ではなすことがあります。
まさか癌まで、類は共を呼ぶ?なんてことはないとおもいますが。
周りに乳癌経験者がいない場合は、体験記がおすすめ。
ステージや乳癌のタイプによって参考になる部分とならない部分がありますが、自分に近い病状の方の体験記は参考になります。