患者を支えるキーパーソン
乳癌と告知され、主治医と初めての診察の時、
家族構成を聞かれました。
「お子さんはいますか?」
「結婚されていますか?」
「ご家族は、何人ですか?」
など。
質問の答えを電子カルテにどんどん入力していました。
はじめは、こんなこと聞いてどうするのかな?と
思いながら答えていました。
すると、主治医が
「お母様がキーパーソンですね。」
と言いました。
「キーパーソン?」
医療の現場では、患者のお世話をする人をキーパーソンと
呼ぶそうです。
もし何かあったら連絡する人という意味合いで、
家族構成などを確認していました。
患者のサポートはひとりで行うと負担が多い
病院のカルテ上では、母が私のサポート役でしたが、
実際には、多くの方にサポートしてもらいました。
医療の現場でも、キーパーソンからソーシャルサポートと言って
複数でサポートする考え方になってきているそうです。
私が読んだ本に書かれていたことを紹介します。
癌患者を支える3つの役割分担
- 情緒的サポート
- 手段的サポート
- 情報的サポート
情緒的サポートは、メンタル面で支えてくれる人
悩みを聞いてくれたり、心に安らぎをあたえてくれる人が
情緒的サポーターの役割。
私の場合、治療に関する不安や、癌になったことによる人間関係の
胸の内を聞いてもらったのは、癌友でもある親友でした。
また、治療を前向きに進められたのは、娘の存在があったからです。
私にとっての情緒的サポーターは、
親友と娘でした。
手段的サポートは、送り迎えや家事をやってくれる人
手術で入院してる最中や、退院してしばらくは助けが必要でした。
私の場合、手段的サポートをしてくれたのは、
母と父です。
父には、入院中面会に来る際、母と娘を病院まで送迎してもらいました。
母には、入院中に娘の面倒を見てもらいました。
手段的サポートがあったから、治療に専念することができました。
情報的サポートは、治療に関する正しい情報を集めてくれる人
癌の治療が始まると、難しい用語や複数の治療方法などを
主治医から提案されました。
ズブの素人だったので、すぐに情報集めをしなければなりませんでした。
私の場合、情報的サポーターは、本でした。
下記の3冊の本を読んで、治療に対する知識を増やし、
不安や疑問を解消していきました。
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ソーシャルサポートは、やらせるものでも、やってあげるものでもない。
3つの役割分担について、
「あなたに情緒的サポートをお願いする!」とか、
「わたしが、あなたの手段的サポートをする!」とか、
宣言するようなものではなく、
自分自身で区分するくらいのもので構わないそうです。
ひとりにかかる負担を3つに分けることによって、
ストレスを減らすのが目的です。
私の場合も、振り返ってみれば、
多くの人にお世話になりました。
お世話になった人を改めて区分した結果、
3つの役割分担になっていたんだなあと気づきました。
サポーターは、血縁関係者でなくてもいい。
だれもが、近所に家族がいるわけでもないし、
だれもが家族にサポートしてもらえる環境とは限りません。
私の場合、娘を預かってくれる保育園が手段的サポートでした。
癌患者のサポートというと、
家族の精神的負担が大きいイメージでした。
ソーシャルサポートのように、細かく区分したことで、
患者自身の精神的負担も軽くなります。
ソーシャルサポートという考え方に賛成です。