昨日、新聞を読んでいたら、癌の遺伝子医療(ゲノム医療)を進めるため、遺伝子治療の設備、人員のそろった病院を拠点病院にすると厚生労働省が発表したという記事を目にしました。
なんだか、聞きなれない新しい治療法みたいなんで、気になったので調べてみました。
私が疑問に思った点の備忘録です。
スポンサードリンク
ゲノムってなに?
ゲノムってなんか専門用語っぽくて難しそうですが、調べてみると遺伝子の事をゲノムというみたいです。
ひとりで約37兆個の細胞を持っていて、すべての細胞が同じ遺伝子を持っている。
ゲノム医療は何がいいの?
個人個人に合わせた薬や治療ができる。
希少癌や遺伝性癌の治療が効果的にできる。
そもそも、どうして癌になるの?
遺伝子に傷がついたから
正常な遺伝子細胞に傷がつく→タンパク質をつくる型に傷の情報が伝わる→
タンパク質が正常な形にならない→本来の機能や形とは違うタンパク質ができる→癌
中高年になるとDNA修復酵素の機能が弱まる。
細胞は、常に入れ替わって新しい細胞が作られる。
新しい細胞は、全く同じ細胞をコピーして作られるようになっているが、たまに間違ったりする。
若い頃は、DNA修復酵素が間違いを直してくれたが、中高年になるとその機能が弱まり、間違った細胞のコピーがたくさん増える。
癌の治療は、癌細胞のアキレス腱を攻撃して癌を抑える。
癌細胞のアキレス腱をピンポイントに攻撃すれば、
癌の増殖を抑えることができる。
ゲノム医療は、臓器を横断して治療できる。
従来の治療は、肺がん、胃がんと分けて治療していたが、
遺伝子治療では、臓器がちがっても癌細胞の型が同じであれば、
薬で治療できる。
ゲノム医療ってどんなふうにするの?
医師が対象患者さんに遺伝子検査するかどうか確認→
手術などで採取した検体で遺伝子解析する
→検査結果を専門家で議論→患者さんにあった治療の決定
乳癌患者対象のゲノム医療ってどんなのがあるの?
乳がんには、遺伝性の遺伝子変異と後天性のゲノム異常がある。
遺伝性の遺伝子変異の変異で起こる、遺伝性乳癌卵巣がん症候群
子宮体癌検査の時に、婦人科の医師から渡されたのが、遺伝性乳癌卵巣癌症候群についてのパンフレットでした。
遺伝子検査をしませんか?とお話がありましたが、家族にがん患者がいないのでお断りしました。
その時の記事がコチラ→乳癌全摘術後半年。婦人科健診について
遺伝性乳癌卵巣癌症候群ってアンジェリーナジョリーで話題になったアレでしょ。
っていうくらいの知識しかありません。
BRCA1 遺伝子とBRCA2 遺伝子のどちらかに変異があると、乳がんや卵巣がんだけ でなく、前立腺がん、膵がんなどにもなりやすいことが分かっている。
乳癌患者さんの20%くらいは、家族性乳癌の方がみられるそうです。
婦人科の先生に説明された時は、どんな検査かもチンプンカンプンでしたが、ゲノム医療について調べてみて、
初めてこの検査の意味がわかりました。
BRCA1 遺伝子とBRCA2 遺伝子に変異があったらどうなるの?
定期的にがん検診を受ける。予防的手術を検討。子供にも癌になりやすい可能性を伝える。
乳癌になった原因が、BRCA1または、BRCA2の遺伝子変異だった場合、今後卵巣癌になる確率が一般の人より数十倍上がるそうです。
対策は、
- 定期的に検査をうけて早期発見を期待する。
- 予防的に卵巣を摘出する。
- 子供に将来がんになる確率が高いと告げておく。
この場合の遺伝子検査は、他の癌になりやすいかどうかの予防的意味合いの強い遺伝子検査ですね。
アンジャリーナジョリーは、乳癌、卵巣癌になる前にそれらの臓器を摘出してしましました。
その他の乳癌に関係したゲノム医療
ホルモン療法で耐性ができ再発した場合の遺伝子変異の原因解明が進められている。
ホルモン陽性タイプ乳癌患者さんが化学療法をするかどうか迷った時に、オンコタイプDX、マンマプリントの検査で治療効果を予測する。
これからの癌治療は、ゲノム医療になっていくようだ。
手術は無くならないと思いますが、術後の薬物療法で再発をもっと効果的に防げたり、
薬の効果がなかった人が、別の薬で効果が期待できると事前に判断がついたりするのかもしれません。
病理診断でサブタイプやki67がわかるだけでもすごいと思いますが、今後はもっと細かく分類できるのかもしれませんね。
癌で亡くなることがない世界になっていってほしいです。