一年半前、乳癌により両胸の全摘手術をしました。
1年半たって、やっと温泉に行けるようになった。
私の乳癌の手術は、全摘手術のみ。
同時再建は行いませんでした。
よって、両胸は真っ平ら。
右胸に関しては、切除部分が大きかったので、鎖骨からえぐれている感じでした。
自分で見ても他の女性とは、様子がことなる容姿です。
「この胸じゃ、温泉やスパは無理だね。」
両胸がないので、タオルなどで隠して入ることもできません。
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温泉に入れない時は、人生の楽しみを少し我慢している感じだった。
全摘したのが3月、少しづつ暖かくなっていく季節だったので、胸のない不自由さは、さほど感じていませんでした。
それよりも癌をとりのぞけたことに、ほっとしていました。
しかし、季節が夏になり、子供とプールに行く機会が増え、水着にパッドを入れる手間や、
そのあと共同浴場に入れない不便さから
「ああ。早く胸取り戻したいなあ。この先ずっと子供や友人と温泉楽しめないなんてさみしいなあ。」
と思うようになりました。
温泉に入れない時、心身ともに癒してくれた入浴剤がこれ↓
全摘手術から1年半後。乳房再建で膨らんだ胸を取り戻す。
全摘手術から1年が過ぎ、ようやく主治医から乳房再建のゴーサインがでました。
まずは、胸を拡張するため、両胸にティッシュエキスパンダーを挿入。
真っ平らだった胸に、女性らしいBカップくらいの胸ができました。
ティッシュエキスパンダーだけでも、見た目違和感のない胸に。そろそろ温泉デビューしちゃう?
手術後1ヶ月は、温泉、プールは禁止でしたが、その後は温泉もプールもok。
私の頭の中に、いままで抹消していた温泉という文字が浮かんできました。
季節が夏になり各地では、プール開きも始まっています。
先日の日曜日の朝に、娘から「暑いからプール行きたい!」とせがまれました。
近所には、大きなプールと温泉が一緒になったスパがあります。
そこは、夏になるといつも子供をつれた家族づれで賑わっていました。
「よし、今日温泉デビューしよう!!」
1年半ぶりの温泉は緊張した。
胸は膨らんだけど、乳首がない!
温泉に入るにあたり懸念していたのは、右胸には乳頭乳輪がないこと。
胸が膨らんだとはいえ、乳首がなく、一文字の傷は、違和感あります。
「この傷見られたらやだなぁ」
そこで、手術後に使用していた、サージカルテープを傷口に貼って、乳輪乳頭がないことをごまかしました。
そのテープがこちら↓
いよいよ、1年半ぶりの温泉へ。
休日ということもあり、浴場内も脱衣所もそこそこ賑わっていました。
プールを終え、水着を脱いで全裸になる時がきました。
「大丈夫かな?胸変に思われないかなぁ。」
そんな心配をして、一応タオルで隠しながら脱衣所や浴場内を歩きました。
露天風呂には、7、8人の人が入っています。
「近くに行ったら、胸じろじろ見られるかも?」
そう思い、できるだけ人の少ないお風呂に入りました。
乳房再建のおかげで、全摘手術前の生活を取り戻すことができた。
場に慣れてくると、乳白色の湯、寝湯、ジェットバスなど、いろんな湯につかり、浴場内を歩き回ります。
それでも、誰も私の胸を見たりしません。
「全然違和感なく溶け込んでる!全摘手術前の生活を取り戻したんだ!」
湯船につかりながら、感動と喜びをしみじみ感じていました。
ほんと。嬉しかった!!
生まれていろんな温泉やスーパー銭湯に行きましたが、この日は生涯忘れることのない温泉となりました。
乳房再建のありがたみを、温泉にいってさらに実感した。
乳房再建をする目的は、人によって様々だと思います。
外見だけなら、乳癌用パッドを使えば、社会生活に支障ができることはありません。
しかし、人前で裸になる瞬間は時々あります。
乳癌主治医以外での診察や検診。
スポーツクラブなどの更衣室、夫婦生活など。
胸がないならないなりの生活に慣れてくるけど、不便もあります。
私にとって胸のなかった1年半は、とても長かった。
はやく温泉に行きたい!というのが乳房再建をした理由の一つでもあります。
今回目的を達成して改めて、乳房再建してよかった思いました。