癌の告知から手術予定日まで約1ヶ月の葛藤
癌が判明し、街のクリニックから総合病院に転院。
総合病院の手術までの診察は、わずか3回ほど。
乳がん初心者にとっては、何が最適なのかさえわかりません。
しかし、手術の日は刻々とやってきます。
それまでに、温存にするか全摘にするか、
決めなければなりません。
いきなり、「来週テストやるから!」
と言われた学生が、徹夜で毎日勉強しなければならないのに似ています。
当初、1cmのしこりの浸潤がんが、
3cmの広がりのある非浸潤がんになり、
もしかしたら両方に癌があるかもしれないなど、
検査のたびに診断が変更になるのだから、自分の癌が
どのタイプのものか飲み込むのも大変でした。
かといって手術を先延ばしにもしたくありません。
初心者なりに、考えを整理してみようと思います。
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手術の方法は、内視鏡による皮膚温存手術
私の受ける予定の手術の術式は、
鏡視下皮下乳腺の全摘及び温存手術です。
簡単に言うと、内視鏡で乳腺及び患部を取り除き、皮膚や皮下脂肪は
極力温存するといった方法です。
先生曰く:「アンパンをくりぬいて、あんだけとるような感じ。」
だそうです。
皮下乳腺全摘手術は、
手術痕がわからず、美容面でのメリットがあるそうです。
術後の経過についてはこちら→
癌の広がりは、広め
左乳房の非浸潤がんの広がりは、約33mmあり、
先生曰く
「温存でできるけど、形が崩れるので全摘も視野にいれたらどうか」
といっていました。
MRIによる手術前の評価
左CD領域 33mm
滋賀県立成人病センターより引用
私が読んだ、
これからの乳房再建BOOKによると、B,D領域に乳がんがある場合は、変形が顕著だそうです。
一時期は、乳房温存神話といって、温存がいいに決まっている!
という風潮でした。
私もがんと宣告された時は、絶対温存したい!と思っていました。
しかし、自分のイメージと懸け離れた
乳房温存なら考えなければなりません。
非浸潤がんは、全摘がいいの?
全摘のメリット
- 局所再発の確率が数パーセントと低い。
- 乳頭もとれば、さらに再発率が低くなる。
- 放射線治療がない
全摘のデメリット
- 再建が必要。
- 再建してなければ、温泉やプールに行きづらい。
温存がいいの?
温存のメリット
- 乳房の喪失感がない。
- 再建を考える必要がない。
- 放射線治療をすれば、局所再発率は、全摘と同じ。
温存のデメリット
- 温存された形に満足できない可能性も有る。
- 放射線治療が必要。
- 放射線治療をすると、乳房再建ができない可能性がでてくる。
シリコンインプラントの保険適応で、全摘の人が増えている。
2013年からシリコンインプラントの保険適用がみとめられ、
それまで、100万円ほど費用がかかった
人工乳房の再建手術が1/3以下に。
乳房再建を受けられる人が多くなったことで、
「無理に温存するよりは、
全摘して綺麗なかたちで作り直したほうがいいのでは?」
と思う人も増えているようです。
私の主治医もこの考え方を勧めていました。
温存か全摘かで悩んで参考にした本
見た目と命どちらが優先?
- 全摘した体を受け入れられるか?
- 温存して再発の危険に神経質にならずにいられるか?
この2つが、わたしにある葛藤です。
-
全摘した体を受け入れられるか?
全摘して、なくなった胸を受け入れるには覚悟が必要です。
これは、切ってみないとわかりません。
絶対に再建します。
入院3日目 手術翌日から歩行可能だけど苦戦の連続!
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温存して再発の危険に神経質にならずにいられるか?
乳房温存できたとして、局所再発するんじゃないか?
と神経質になると思います。
一度でもがんになったら、二度とがんになりたくありません。
乳房温存でも、放射線治療をすれば、全摘の場合と生存率は同じ
主治医曰く:
放射線治療をすれば、
全摘も温存も生存率は変わらないそうです。
温存の場合、全摘よりも局所再発率は、高めです。
もし、局所再発をしても、再度手術をすれば、
全摘した場合と生存率は、変わらないそうです。
一番大切にしたいことは、命です。
非浸潤がんは、手術で完治する癌だと、
多くの医師がおっしゃています。
主治医も
「切ってしまえば終わり。抗がん剤やホルモン療法もしなくていい。」
「全摘なら放射線治療もなし。」
といっていました。
乳房を温存したことで、放射線治療をきちんとすれば、
生命の危機に直面することもないと思います。
しかし、私は、がん細胞をコントロールすることができません。
より安全策として、全摘手術を選択しようと思います。
全摘を選んだなら
- 同時再建がいいのか?
- 傷が癒えてから、2次再建をするほうがいいのか?
同時再建は、人気です。
乳房の喪失感なく、精神的な負担が減るからです。
主治医のs先生は、
「再建方法は、たくさんあるので、手術を終えてから、
ゆっくり決めるほうがいいのでは。
癌の治療だけでも、わからないことが多いのに、再建まで考えると、
時間が足りなくないですか?」ということをおっしゃっていました。
確かに、一人一人乳房の形も違うし、
右の乳房もあやしい所見があるので、
再建まで考えると、手術が先延ばしになってしまうかもしれません。
まずは、治療の選択を間違えず、それから再建について考えてみようと思います。
両胸全摘2ヶ月経過して、あらためて思う。同時再建、2次再建どちらが良いの?!
実際に再建して思ったことの記事はコチラ→