乳癌と告知されたのが、1年半前。
告知後、精密検査により乳房全摘を勧められた時、頭に真っ先に浮かんだのが
「胸がなくなるなら新たに作るぞ!」
という乳房再建についての決意でした。
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1)乳癌を取り除くための乳房全摘手術からスタート 2016/03
私の乳房再建へのスタートは、まず乳癌を取り除くことから始まりました。
浸潤している部分は小さかったんですが、乳房内進展という非浸潤癌が広がっていたため乳房全摘という治療方法になりました。
2)乳がん再発予防の薬物療法を開始 2016/05
乳癌の全摘手術が終わり、次に行ったのは、タモキシフェンによる再発予防のためのホルモン療法です。
まずは、乳癌の治療を最優先に!
という主治医の勧めもあって、二次再建を選択しました。
確かに、全摘手術後は乳腺科の外来に行くことも多かったので、仕事や育児の他に形成外科の外来も加わるとなると
バタバタしていたかもしれません。
関連記事 乳がんになって仕事どうする?手術前と術後の休職期間について
2)乳癌を取り除いた部分の皮膚の回復を待つ
この間の保湿ケアで乳房再建の良し悪しが変わってくる。
術後の胸は真っ平ら。
術後しばらくの胸の皮膚は薄く、引っ張ることもできないくらい、伸びがなかったです。
主治医曰く、術後の皮膚を時間をかけて柔らかくすることで、合併症もなくなり、綺麗な胸の再建ができると言われました。
全摘の手術跡が回復してくると同時に、毎日処方されたヒルドイドローションで胸の保湿ケアを行いました。
のちに、乳腺科の主治医が診察のたびに、保湿の重要性についてお話をされていた重要性を実感します。
関連記事 乳癌全摘手術後の傷のケア
3)全摘手術から半年後、形成外科を受診 2016/10
全摘手術から半年経った頃、主治医から同じ病院の形成外科の先生を紹介されました。
全摘したおっぱいを取り戻すため再建方法を検討
乳房再建方法は、3通りある
-
自家組織
-
シリコンインプラント+脂肪注入
自家組織による再建のメリット
- 自分の脂肪を使うので、柔らかい胸ができる。
- 下垂した胸を作れる
自家組織のデメリット
- 胸以外の場所に傷ができる。
- 体に負担がかかる。
私の親友がやった再建がこれ。
自家組織による乳房再建は、胸の形も柔らかさも自然です。
手術時間は、全摘同時再建で10時間かかりました。
入院期間も3週間と長め。
彼女は、お尻の脂肪を胸にいれたので、お尻に傷があります。
再建後5年以上経っていますが、乳房再建したことも忘れています。
メンテナンスも特にやってません。
シリコンインプラントによる再建のメリット
- 体への負担が少ない。
- 体への傷が少ない。
シリコンインプラントのデメリット
- 下垂した胸が作れない
- 人工物なので少し硬い
- 10,20年後に入れ替えが必要になる
シリコンインプラント+脂肪注入のメリット
- 自家組織のように柔らかい胸ができる。
- 自然な胸のラインができる。
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自由診療により高額
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両側再建の場合は、どの方法がいいの?
A(佐武) 両側の乳がんの患者さんは約3%いらっしゃいます。最近米国では、遺伝性の乳がん、卵巣がんのがん遺伝子がある場合は約7割の確率で乳がんになるとされ、予防的に切除する方もいます。
一般的に、両側の乳がんの場合はインプラントで再建するケースがほとんどです。自家組織では時間がかかること、同じような位置に同じような傷があって、同じような欠損がある場合、同じサイズのインプラントを入れれば、形が同じようにできるためです。けれども、脂肪注入を行うことはできます。身体の他の部位から両側の再建に十分な組織が採取できるかどうかが問題になりますが、大きな胸の場合は、小さめの穿通枝皮弁を移植し、そこに脂肪注入をして大きくすることも可能です。左右の腹部、左右の臀部、左右の大腿部から採取し、両側の胸を再建している患者さんはたくさんいます。手術時間は通常の1.5倍位と長くかかり、手術を受ける側もする側も大変ですが、左右を同時に再建することができます。
両側再建の場合は、インプラントがほとんどなんですね。
健側に合わせる必要がないから、人工物でも上手くいくって
主治医もいってました。
乳房再建の情報はどこであつめる?
本で勉強
再建について勉強するため本を買って読んでみました。
ブレストサージャークリニックの先生が書かれた本で、
とてもわかりやすかったです。
この本を読むと、インプラントの種類もたくさんあることがわかりました。
形は、丸形、しずく型、大きさや材質の違いなどインプラントだけでも選択肢が多くあるようです。
病院に置いてあるセミナーのチラシ
患者の会主催の乳がんセミナーが、年に何回か開催されているようです。
病院に行くと、チラシが置いてありました。
一度参加したいと思ってます。
再建の時期はいつがいい?
術後6ヶ月より可能
主治医は、術後1年経ってからと言っています。
理由は、術後の胸の皮膚が柔らかくなってくるからだそう。
形成外科の先生は、術後6ヶ月から可能と言っています。
再建する病院はどこがいいの?
では、実際乳房再建するにあたりどこの病院に行けばいいのでしょうか?
考えられるパターンとして
- 自分の通っている病院
- 乳房再建を得意としている専門の形成外科
結局悩んだ末、自分の通院している病院に乳房再建の専門の先生がいたので、そちらで再建することにしました。
4)エキスパンダー挿入手術の日程を決める 2017/01
2回目の再建外来の受診時に、胸の皮膚の状態を確認し手術OKになりました。
形成外科の先生も乳腺外科の主治医も慎重派で、準備万端でないと手術は絶対にしないぞ!というオーラが伝わってきます。
この日、手術についての説明を受け、手術日の予定を決めました。
関連記事 乳房再建の手術日が決定。今後の診療スケジュールの質問と注意点
5)エキスパンダー挿入手術で10日間入院 2017/05
待ちに待った乳房再建の手術が胸を失ってから約1年で実現しました。
この時は、水の量が少ないので、胸の膨らみも小さかったです。
エキスパンダー手術当日。思いがえないハプニング発生!
6)乳房再建外来毎月受診、エキスパンダーを膨らませて綺麗な胸を作っていく 2017/06
エキスパンダーの手術が終わると、毎月1回、エキスパンダーに水を少しづつ追加注水して胸を膨らませていきました。
全摘手術後から胸の皮膚を柔らかくするため行っていたマッサージの甲斐あって、胸の皮膚の伸びがよく、綺麗に膨らんでくれました。
関連記事 エキスパンダーの水は、400mm越えると肩が凝るわよ。
7)インプラント入れ替え手術 2017/11
エキスパンダーで皮膚が十分に伸び、希望の胸の大きさに達したら、インプラントへ入れ替えの手術を行います。
関連記事 乳房再建外来でインプラントと脂肪注入の併用再建についての説明をうける
二次再建のメリット、デメリットを検証してみる。
乳房再建する前、乳房再建とはどんなものなのか全くわからなかったので、いろいろ調べました。
そこに書かれていたことについて実際に二次再建して思ったことと照らし合わせてみたいと思います。
二次再建のメリット
乳がん治療に専念できるっていうけど?
乳癌の手術と同時に再建の手術をするとなると、乳癌の勉強と乳房再建の勉強を同時に行わなければなりません。
治療方法について選択することが増えるので、限られた時間の中で進めていくには結構無理がありました。
主治医の方針は、まずは乳癌治療を優先する。というものだったので、後からゆっくり再建について考えることができました。
乳房の形や再建方法などをじっくり検討できるらしい?
インプラントによる再建にするか自家組織による再建にするかなど、数ある再建方法をゆっくり検討することができます。
私の場合、両側再建のためインプラントを使った再建の方が体の負担は少ないだろうという一択だったのでそんなに悩まずにすみました。
乳がんの手術とは別の病院で、再建を行うことができるの?
乳腺科主治医曰く「うちの病院で再建しなくてもいいから、きになる病院あったら言ってね。紹介状書くから。」
乳房再建で形成外科の先生を紹介された際、言っていた言葉です。
二次再建の方は、乳癌手術と違う病院で再建する方も多いそうです。
それは、再建方法の得意分野の違いや先生との相性などが理由みたいです。
私は、再建先生との相性も悪くなかったし、先生の実績もあったので同じ病院にしました。
ゆっくりいろんな病院が選べるのはメリットといえばメリットです。
二次再建のデメリット
一次再建よりも手術回数が1回増えるので身体的・経済的負担が多いよね?
まさにそれを今実感しています。
乳癌手術、エキスパンダー挿入手術、インプラント入れ替え手術と3回手術があります。
その度に、仕事を休まなくてはいけません。
休みの取りにくい職業の方は大変なんじゃないかと思います。
身体的負担は、3回全身麻酔して手術するという意味では大きな負担です。
しかし、同時再建による合併症のリスクがないのでそういった部分では安心かもしれません。
経済的負担はありますが、がん保険を入院のたびに申請しているので入院費用についての負担は抑えられています。
乳房の喪失感が大きいってほんと?
乳房全摘手術から1年間、胸のない生活でした。
不便なことといえば、外出時はパッドを使用。
温泉に入れない、人に裸を見られたくないといった事でした。
ですが1年は思ったよりあっという間でした。
二次再建にしたことは、病院の方針の影響大
今順調に再建が進んでいるので、二次再建で良かったのかなと思っています。
これは、主治医の考えが大きく影響しています。
仮に、同時再建の得意な病院なら同時再建していたと思うからです。
主治医や再建先生が口を揃えて言っていたのは、
「乳癌手術後1年以内に再建するのはなんのメリットもない!」という事でした。
はっきりキッパリとおっしゃっていたのが今でも脳裏に焼きついています。
こういった考え方のもとで、むりやり同時再建してもうまくいくことはないでしょう。
先生方がいろいろ経験してきた中で、やっぱり二次再建がいいよねと、自信を持っている中での
治療は失敗が少ないんだと思います。
同時再建、二次再建どちらがいいかは、病院の方針に大きく影響しているので、見極めが大切だと感じています。